歌の喜び 新井直樹 高普18(昭和43年3月卒業)
思えば、小中高と勉強は嫌いでした。いわばコンプレックスの塊でした。幼い頃、父の歌と小学校の担任の平松先生の見よう見まねの「サンタルチーア」は今でもよく覚えてます。音楽の時間だけは好きでした。小6の時から、池新田から菊川の赤堀庄太郎先生(初代アエル館長、鍵盤ハーモニカの父)の元に通いピアノや歌の手ほどきを受けました。
当時は、歌が声楽でオペラという事は想像もしませんでした。喜びどころか地獄の人生のはじまりでした。
中学3年から、東京まで毎月片道6時間、池新田からバスで菊川、電車に乗って静岡、静岡〜小田原、小田原〜成城学園前から徒歩30分!そしてレッスンは40分。新幹線がまだ開通してない頃からでした。
ある時レッスンに行くと、スーツを着た立派な紳士が素晴らしいバリトンで有名なアリアを見事な声で演奏していました。あまりの声量にビックリ、声もでませんでした! すかさず、サインを求めたところ、「君、僕はこれから芸大を受験するんだよ」と。「僕も・・」と、いいかけて口を噤んでしまいました。
それから、奇跡が起こりました。その彼とは芸大の同級生になり、卒業後、一緒にイタリアへ旅立ったのです。およそ20年間のイタリア生活から帰国して得た結論は、些細で難解で不可能な言語の違いでした!息と音が同時の日本語に対し、音で会話するイタリア語との差でした。現在のYouTubeなど発達した映像を観てしても、それは理解できません。残念ながら、現在の最高学府においてもです。
現在の私は、最初のコロナ禍の犠牲者の一人でした。甲状腺検査が三年間できず、その間に甲状腺癌になり、三度の手術で声帯をはじめ呼吸器官全て切除することになり、オペラ歌手人生は終わりました。声帯と命。家族が居なければ私は躊躇なくオペラ歌手を全うしたでしょう。今は話をすることができません。
現在は、片言のシャント発声で分かりやすく生徒に説き、後は本人任せです。本人が気持ち良く、感じ、私が正解かどうか耳で判断し、様々なテクニックを具体的に教えます。難しくて抽象的な教え方はいけません。
そんな私の生徒は増える一方です。例の解決法を学ぶ為に、こんな事が起きるなんて、誰が想像できたでしょうか。僕の生徒に音大出は一人もいません。全くの素人が一年未満でオペラコンサートに出られるようになります。あっという間に素晴らしい立派な声を得るのです。私が身に着けた簡単なテクニックを教えます。命ある限り、誰にでもアドバイスします。私が長い人生をかけて得た究極の発声法をお教えします。歌に興味を持って勉強されたい方、また現在勉強している方がいらしたら、ぜひ私のレッスンを受けてみて下さい。
最後に僕が素晴らしいバリトン歌手とイタリアへ行き、信じられない多くの経験ができた事は、池新田高校に進学出来たお陰だと思っています。楽しい学友、理解を示して接して頂いた先生方、皆さんの温かいご協力無しにはなし得なかった事と心より感謝しています。
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