池新田高校美術部が私に与えてくれたもの 安間 由紀子(昭和51年卒業)
小さいころから絵を描くことは大好きでした。賞状も、代表も、賞品も、ほとんど絵でいただきました。そのまま大きくなり、高校に入学する時には、なんの迷いもなく美術部を選びました。
その頃の池新田高校美術部は、先輩たちも本気で絵に向き合っている人が多く、美術大学を目指している人、漫画家や看板屋さんになりたい人など絵を職業に繋げたいと考えて一生懸命頑張っている人の集まりでした。
そんな雰囲気の中で、いつしか私も絵を人生の中で何か役に立たせることができないかと思うようになりました。美術大学に行きたいと家族に話すと、「都会に行ったら石を投げたらイラストレに当たると言われている時代だよ。その中で戦って行くのはすごく大変だから、無理だと思うよ。」と言われました。教員という仕事をしていた父をみて育った私は、ならば図工の先生になりたいと思うようになり、大学は教員の免許取得ができるところを目指すことに決めました。
大学に行くと絵の授業があり、美術団体「新制作協会」の桑原佐吉先生に絵を教えていただくことになりました。私の絵を見て大変気に入ってくださり、自分の絵画教室や展示会のお手伝いを頼まれるようになりました。その頃からコンクールに出品し始めました。ほとんど落選していましたね。
そして、結婚し転勤族の主人について神戸に行くこととなりました。そこで知り合ったのが絵本作家の三浦照子先生です。これが絵本の世界に入っていくきっかけとなりました。三浦先生のもとで絵本製作の基本を学び、先生の勧めでコンクールへの応募や出版社への持ち込みをするようになりました。そして、絵本にっぽん新人賞を受賞し、いろいろな仕事が舞い込むようになりました。
その後、子育てをしながら細々とイラストレーターの仕事や絵本教室を続けていたある日、絵画サークルの友人から絵画の公募展に出さないかと勧められました。出してみると、以外にも毎年のように賞をいただくようになりました。その一つに、画廊で個展を開ける賞があって、これをきっかけに色々なところから声が掛かるようになり、さまざまな展示会で絵を売るようになりました。
その頃から様々なコンクールで賞をいただき、展示会などでもよく絵が売れるようになり、毎年個展やグループ展を開催するようになりました。
そんなある日、高校時代のお友達から是非とも地元で展示会をやって欲しいという声があり展示会場を探していたところ、子供の頃からよく絵を見に行っていたゴルフ場のホテルで展示会をしていただくことになりました。
とても広い会場で、私の絵の歴史を一望できる展示会となりました。私の通った小学校のすぐ横で開催できることを、大変嬉しく思います。ぜひご高覧いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
安間由紀子 〒277-0033横浜市青葉区鴨志田町540-31
TEL045-963-5851
「あんまゆきこ展」
○2023年7月1日(土)~7月30日(日)
○静岡カントリークラブ浜岡コース&ホテル 3F「カルチャーフロア」
○入場無料
○休館日月・火曜日、7/17は開館、7/19(水)は特別休館